建物の壁バランスについて

掲載日:2022.03.28

こんにちは。

先日福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。

東日本大震災の余震の余震だとか・・・。日々住宅設計に携わっていると地震や台風を意識せざるを得ませんが、それでも防災意識が薄れている自分に気付かされました。

そこで少しマニアックな話になりますが、今回は耐震設計の話の一部をしたいと思います。

弊社で構造計画する際に重視しているのが偏心率というものです。

偏心率とは、地震が起こった際にその力は建物の「重心」(質量の中心)に最もかかります。

また、建物には、最も剛性が強い「剛心」があり、地震の際は、水平方向に変形や剛心の周りを回転する動きをし、建物にねじれを生じさせます。

この重心と剛心とのずれを「偏心」といい、そのずれの程度を「偏心率」と呼んでいます。

このずれが大きいと地震に対して不利に働きます。

例えば平面計画上、南側にリビングを計画する事が多く、光や庭に対して窓を大きくとるケースがありますが同時に壁が少なくなります。

一方で北側には水廻りの計画が多く窓が小さく壁が多くなります。

そうすると偏心が大きくなりバランスが悪くなります。そこで壁の強さを調整しバランスをとるようにします。

分かりにくいと思いますが、このように設計する際には建物の計画上壁のバランスが重要です。

例のように壁の剛性(強さ)を上げることである程度バランスをとることができますが、それにも限界があるので間取りを考える時には全体の壁のバランスも併せて考える事が重要です。

お家を計画する際の参考になれば幸いです。


 

設計部 次長

稲場 一幸

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