震度6強 早来町 M様邸検査 及び近況報告、基礎と地面の間にできた隙間にはご注意願います
掲載日:2018.09.28
2018年9月27日
ちょうど10年前にお引渡ししたM様をお伺いし、お住まいの検査を行わせていただきました。
9月6日、震度6強、早来のこの辺りは震源地とほぼ同等の揺れに見舞われました。
「その時の事はほとんど思い出せない」とのM様のお言葉、とても重く感じました。
まず、基礎と外壁の様子を拝見いたしました。
外壁の歪み・剥がれ・変形などは見受けられませんでした。
建物基礎においても沈下はなく、基礎コンクリート部分のひび割れも皆無で、まずは「ホッ」っと胸をなでおろしました。
しかし、基礎の周りに5cmから10cmの隙間が発生していました。
地中深くから杭でしっかり固定された建物は揺れに打ち勝ったようですが、その周りの表層土が大きく揺れ動いたようです。 このまま冬を迎えると基礎に悪い影響が出るかもしれません。
寒くなる前にスコップ等で埋め戻していただくようお施主様にお願いしました。
M様は快くご了承され、「同じ状態になっているお宅もきっと多いはずですから、ウチだけでなく他の皆さんにもお伝えいただけませんか?」と仰せになりました。
次は室内の建具の様子を拝見しました。
玄関ドア、窓、木製ドアを開け閉めして、建物に変形がないかどうかを調べました。 幸い、どの開口部も扉の開閉はスムーズで異常は認められませんでしたが、壁に数か所の穴や傷が見受けられました。天吊りの照明器具がぶつかる事により生じたもののようです。 まさに、想像を超える揺れだった様です。 内装の補修はともかくとして、器具の取り付け金具の点検と増し締めを行いました。
とても残念な事は、ボイラーが使用不能になった事でした。
ボイラー本体が変形して10cm以上前に傾いてしまいました。 この狭いボイラースペースで、自重400㎏程の満水状態のボイラーが暴れ動いたようです。 このボイラーは交換しなければなりません。 もう10月になるので暖房が必要になるまであとわずか。 時間がありません。 早速メーカーや設備工事業者さんに連絡を取り、納期の確認をしたところ、オール電化仕様・LPガス仕様(北海道エアウォーター社の「ヴィヴィッド」)・灯油ボイラー仕様、いずれのボイラーの場合も10月中には作業完了できる見通しがたちました。 M様には、とりあえず安心していただく事ができました。
最後に床下点検口から各配管の様子を点検しました。 ここは震災直後に当社の設備工事技術者が駆けつけ処置した部分です。 ボイラーの中の水を抜き取り、ボイラーに水がいかないように専用部品で配管をバイパスし、他の水栓が使えるように処置されています。 しっかりした作業の様子がうかがえました。
平成30年北海道胆振東部地震、台風21号により被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
神出設計グループは、被災された皆様に少しでもお役に立つことを目指し、厚真・むかわ・早来地区において、当社で建てていただいたお客様の建物を無償で順次点検させていただいております。
何かお困りのことなどありましたらご相談ください。